【声】にまつわるお話
20歳の誕生日。
高速道路パーキングエリアに立寄った時のこと。
何処からか
「んぎゃぁーんぎゃぁー」という鳴き声。
辺りを見渡しても何もいない。
空耳?
また…
「んぎゃぁーんぎゃぁー」という鳴き声。
足元をみると、目も開いていない、
産まれて間もない猫の赤ちゃん。
抱き上げようとすると逃げる。
立ち去ろうとすると寄ってくる。
ここまま、ここに置いていったら、
カラスにイジメられるかもしれない。
食べ物もなく死んでしまうかもしれない。
その瞬間「んぎゃぁーんぎゃぁー」と鳴く仔猫をしっかりと抱き上げ胸に抱えた。
手のひらに、すっぽりとおさまってしまうほどの小さな小さな仔猫。
また同じ時に産まれ出会いたいと感じた私は輪廻の「輪」の一字を使い、
仔猫に「輪(りん)」と名付けた。
それから輪と20年間いっしょだった。
「んぎゃぁーんぎゃぁー」は、
輪が生きるための声。
最後の最後まで決して生きることを諦めない、りっぱな猫でした。
もう姿は見れなくなったけれど、
心が弱くなったとき、
頑張んなきゃいけないとき、
「んぎゃぁーんぎゃぁー」と、
あの時の「輪の声」が、
いまでも聞こえる。
よしだしずか
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Sol.星の花 旗上げ公演「Voice in the Wind」ーヴォイス・イン・ザ・ウインドー
2017/6/2(金) 19:00 ~ 2017/6/4(日) 17:00
高円寺 明石スタジオ
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