『四月四日』


冬の空気が好きです。冬のきんと冷えきって、肌を刺すような風が好きです。



春を待ちわびる寒々とした裸の木々を抜け、生け垣の霜ばしらに吹きつけ、風は冬を教えてくれます。




近頃は、日が落ちてもあたたかい風が吹くようになりました。




桜が綻び、やがて風はその春の便りを運ぶのでしょう。初々しい制服やおろしたてのスーツの肩を撫でるのでしょう。未だ家具の揃わないアパートの窓から吹き込むのでしょう。




風は時に背中を押し、時に向かい風となり、時に優しく通りすぎて行きます。



いつかの記憶にある温度の、香りの、懐かしさを湛える風に誰かを思い出す事があります。背中を押してくれた、目の前に立ちはだかった、優しく隣に居てくれた誰かを思い出す事があります。



風が立ち止まらぬように、置いて行かれぬように歩き続けようと、ふと空を見上げました。



初音瞭


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Sol.星の花 旗上げ公演「Voice in the Wind」ーヴォイス・イン・ザ・ウインドー

2017/6/2(金) 19:00 ~ 2017/6/4(日) 17:00

高円寺 明石スタジオ

チケット購入先


劇団Sol.星の花

命の平等・大切さ、思いやりを持つことの大切さを伝えるため2017年、「災害で消えた小さな命展」代表のうさが立ち上げた劇団です。 脚本・演出もうさが勤めています。 『Sol - ソル - 』の意味は「Ship of love(愛の船)Ship of light(光の船)」またSolは太陽や生きるという意味も持っています。 「星の花号」という船に乗って世界中に愛と光の種を蒔き星の花を咲かせていきます。

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